2024.8.1
ビジネス
アプリ開発を始めるきっかけには、さまざまな理由があります。
売り上げを伸ばすために、時代のニーズに寄り添うために、また新しいビジネスチャンスを掴むために..
さまざまな理由があるなか、開発を行ったことで満足されて開発後のアプリは放置!というケースが意外に多いです。
また、どのようにアプリの認知度を上げてダウンロード数を伸ばすのか、具体的にどのような施策を行うべきなのか把握しきれていない方は多いのではないでしょうか。
基本的に、アプリの開発を行った後は、アプリマーケティングを実施して効率的にユーザーに訴求することが大切です。
この記事では、アプリマーケティングの概要や実際に活用される戦略などを解説していきます。
どのような手法なのか理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
さっそくですが、アプリマーケティングはご存じでしょうか?一般的な内容から解説します。
アプリマーケティングとは、モバイルアプリの認知度を高め、ダウンロード数を増やし、ユーザーのエンゲージメントとリテンション(利用継続)を促進するための施策です。
これには、ユーザーの獲得、エンゲージメント、リテンション、収益化など、アプリのライフサイクル全体を通じて重要な役割を果たします。
アプリマーケティングが求められるようになったのは、スマートフォンの普及により、アプリの利用が急増したことが要因のひとつです。
総務省の調査によると、2022年時点で日本のスマートフォン普及率は約84.5%に達しています。これは、ほとんどの成人がスマートフォンを持っていることを意味します。
また調査ではスマートフォンユーザーはモバイルデバイスでの利用時間の約90%をアプリに費やしており、残りの約10%がブラウザでの利用となっていることがわかりました。これは、アプリがユーザーにとって利便性が高く、特定の機能やサービスにアクセスしやすいことを示しています。
スマートフォンユーザーの多くは、Webブラウザよりもアプリを利用する時間が圧倒的に長いです。アプリは特定の機能やサービスに特化しており、ユーザー体験が向上するため、利用が増加しています。
したがって、適切なマーケティングを実行することで利用者を増加させることが重要です。
ASOは「App Store Optimization」の略称で、日本語にするとアプリストアの最適化を指しています。
機能がとてもよく、すごいアプリだ!と自信を持っていても、そのアプリがユーザーに見つけてもらい、ダウンロードしてもらえないと意味がありません。
アプリストア内での検索順位を上げることを目的とするのが「ASO」です。
施策の例としては、キーワード最適化やレビューと評価の管理があります。
アプリのタイトルや説明文に適切なキーワードを含めることで、アプリストアでの検索結果の上位に表示させ、またユーザーからのポジティブなレビューと高評価を促進したりすることが施策の例として挙げられます。
これは、アプリマーケティングだけではなく、代表的な手法の1つですよね。
手法としては、大きく分けて2つです。ターゲットユーザーにアプリをPRするか、広範囲にアプリをPRするか。
課題の顕在層/潜在層によっても分けることができますが、この場合は主に、アプローチするターゲットを絞って、出稿する広告文を分けたり、PR時間を分けたりするので、今回は省きますね。
まず、Google Ads、Facebook Ads、Apple Search Adsなどを活用すると、ターゲットユーザーにアプリのダウンロードを促進することができ、またSNSプラットフォームでの広告を通じて、広範なユーザーにアプリを紹介することができます。
運用にあたって専門的な知識はもちろん必要ですが、比較的予算を低く設定して始めやすく、具体的な数値をもとにデータ分析をしながら、PDCAを回すこともできるため、高い成果が見込めるようになる点がメリットです。
最近は主流となってきましたが、インフルエンサーを活用したマーケティングもアプリのPRに効果的です。
この場合は、親和性がかなり大事です。
自社アプリの方向性やイメージと全く異なるインフルエンサーを起用した場合、逆にブランドイメージが傷つく恐れがあります。
インフルエンサーをフォローするユーザー層とアプリのターゲット層が近ければ、高確率でユーザーの増加が期待できます。
ただしポイントとしては、企業に所属していない個人のインフルエンサーとのPR広告は、内容によってはトラブルにつながる可能性もあるので、慎重に検討後、推進することをおススメします!
ここからは、すでにダウンロードのあとのユーザーのエンゲージメントを高める施策ですが、エンゲージメントとは主に企業やマーケティング、コミュニティで使われる言葉です。
意味は、関与度や参加度を指します。具体的には、ユーザーや顧客がどれだけ積極的に関わっているか、どれだけ関心を持っているかを示す指標です。愛着という意味でもありますね。
たとえば、SNSでのエンゲージメントは、いいねやコメント、シェアの数などで測ることができます。企業では、顧客がどれだけ自社の製品やサービスに対して関心を持っているかを示すために使われます。
プッシュ通知とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスに、ユーザーに直接メッセージや通知を送信する機能です。ユーザー側が拒否をしていない限り、自動的に画面にメッセージが表示されるため、しばらくアプリを使っていなかったユーザーに改めて想起させることもできます。
この機能を利用することで、アプリ開発者やマーケティング担当者は、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。
多くのECサイトでは、イベントやセール情報などを送信し、情報をタイムリーに提供するコミュニケーション用途として使われている機能です。
アプリ内のメッセージは重要なお知らせだけではなく、ユーザーへインセンティブの提供もできます。
限定オファーやクーポンを通じて、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
リテンションとは、もうすでにアプリをダウンロードしてくださった既存のユーザーが、一定期間にわたってアプリを継続して利用し続けることを指します。
具体的には、新規ユーザーがアプリをダウンロードした後、どれくらいの期間、どれくらい頻繁にアプリを使い続けているかを測る指標です。リテンション率は、ユーザーの満足度やアプリの価値を示す重要な指標となります。
そのリテンションを強化するための施策は以下です。
定期的なアップデートやユーザーフィードバックの反映が必要です。また問い合わせ内容ものこのひとつですね。
ポイントシステムやメンバーシップ特典があります。アプリの利用に応じてポイントを付与し、一定のポイントに達すると特典を提供したり、プレミアム会員向けに特別な機能や割引を提供し、長期的な利用を促進します。
マネタイズはとても大事です。アプリを利用してのマネタイズの代表としては、アプリ内広告やアプリ内購入(オプション)などがあります。ゲーム内アイテムや追加機能の購入する課金システムや、月額や年額の定期購読サービスとしてサブスクリプションモデルがありますね。
アプリマーケティングでは、KPI設定を慎重に行うことが大切です。
KPI目標をあまりにも非現実的なものに設定してしまうと、逆に作業や改善へのモチベーション低下に繋がってしまいます。
KPI設定でよく使われるフレームワークはSMART、ベーシック法、ランクアップ法などのフレームワークがあります。
実際に効果が出るのかは試してみないとわからないうえ、一気に施策を行うと予算や人材リソースを圧迫してしまうので注意が必要です。
限られたリソースで最大の効果を得るために、データや予測に基づいて効果が見込まれる施策から優先的に実行するのをおススメします。
ユーザー層が異なる場合、それぞれのターゲットに合った施策を展開することが大切です。
例えば、若年層とビジネスマンでは、反応が異なることがあるため、それぞれに適したメッセージやプロモーション方法を使うと効果的です。若年層が主なターゲットであれば、人気のインフルエンサーにPRを依頼することが効果的です。
全ターゲットに対応できる手法は存在しないので、配信すべき対象によって施策を使い分けましょう。
いかがでしたか?
今回は、アプリマーケティングの概要や実際に活用される戦略などを解説しました。
どのような手法が自社にとって有益なのか考慮することが大事です。予算を圧迫しないために成果が見込めそうな戦略から始めることや、ターゲットによって施策を使い分けることも大切です。