2025.10.30

Webアプリや業務システム、スマホアプリの開発では、「機能の多さ」よりも「使いやすさ」が重視される時代になりました。
ユーザーがアプリを使い続けるかどうかは、UX(ユーザー体験)とUI(ユーザーインターフェース)の設計にかかっていると言っても過言ではありません。
実際、Googleが提唱する「Core Web Vitals」や「UX評価基準」にも見られるように、UXの質はSEOやビジネス成果にも直結します。
しかし現場では、「デザインは後で考えよう」「とりあえず動けばいい」と後回しにされるケースも多く、結果としてユーザー離脱や開発コスト増につながることがあります。
この記事では、Webアプリ開発においてUX/UIデザインを軸にプロジェクトを成功させるための4つの実践的なポイントを解説します。
目次
まず押さえておくべきは、UX(ユーザー体験)とUI(ユーザーインターフェース)の違いです。
しばしば混同されがちですが、この2つは密接に関わりつつも、目的も範囲も異なります。
UXは「ユーザーがアプリを使って得る体験全体」を指します。
使いやすさ、分かりやすさ、安心感、達成感——これらすべてがUXの要素です。
UXデザインでは、ユーザーが目的をストレスなく達成できるように設計します。
例:
UIは、ユーザーが直接触れる「画面デザイン」「ボタン」「ナビゲーション」などの見た目です。
UXが“体験”そのものを設計するのに対し、UIはそれを支える“手段”を作ることです。
つまり、UIはUXを実現するためのツールであり、UXが先にあるべきです。
「きれいなUI」だけではなく、「目的を果たすためのUX」を考えたデザインこそが、成果につながるWebアプリを生み出します。
UXデザインの基本は、ユーザー中心設計(UCD:User-Centered Design)です。
これは、開発者やクライアントの視点ではなく、「実際に使う人の視点」で設計を進めるアプローチです。
まず、想定ユーザー(ペルソナ)を設定します。
年齢・職業・利用目的・課題などを具体的に定義し、どのような行動を取るかを分析します。
例:
リサーチ方法としては、ヒアリング、アンケート、行動観察(ユーザビリティテスト)などが有効です。
ユーザーが目的を達成するまでのプロセス(接点・感情・課題)を可視化します。
「どの場面で迷うか」「どの瞬間に離脱するか」を把握し、UX改善のヒントを得ます。
FigmaやAdobe XDを使い、早期段階で画面モックを作り、ユーザーに触ってもらう。
実際の使用感をもとに改善することで、「リリース後に使いづらい」といった手戻りを防ぎます。
ポイント:
開発前にユーザーを巻き込むことで、「開発後に不満が出る」リスクを減らすことができます。
ユーザー中心の考え方を踏まえたうえで、次に重要なのがUIデザインの具体的な設計ポイントです。
ボタンの形状、配色、フォント、アイコンのスタイルなどを統一することで、ユーザーは迷わず操作できます。
デザインシステム(例:Material Design、Human Interface Guidelines)を活用するのも有効です。
人は1画面内で最初に見た情報を判断の基準にします。
シンプルで「次に何をすればいいか」が一目で分かるUIが理想です。
エラーや読み込み時に何も表示されないと、ユーザーは「止まった」と感じて離脱します。
小さな「気づき」がUX全体を大きく改善します。
スマートフォンからのアクセスが主流の現在、レスポンシブ対応や操作しやすいボタン配置は必須です。
チェックリスト例:
UX/UI設計はリリース時点で終わりではありません。
むしろ、リリース後のデータ分析と改善サイクルこそが、真のUX向上につながります。
Google Analytics、Hotjar、Mixpanelなどを使って、ユーザーがどの画面で離脱しているか、どの操作が多いかを定量的に把握します。
また、NPS(顧客満足度)調査や問い合わせ内容から定性的な改善ポイントを抽出します。
UX改善は「デザイン→実装→検証→改善」のサイクルを繰り返すことが基本です。
A/Bテストでボタン配置や色を変えてみたり、フォーム入力項目を減らしてみたりと、小さな改善の積み重ねが大きな成果を生みます。
UXはデザイナーだけの仕事ではありません。
開発者、PM、営業、サポート担当が共通認識を持つことで、UXの一貫性が保たれます。
NotionやFigJamなどで「UX改善ノート」を共有し、社内ナレッジとして蓄積していくと効果的です。
UX/UIデザインは、見た目の美しさではなく、「ユーザーがストレスなく目的を達成できる体験を作ること」です。
このサイクルを意識することで、「動くだけ」ではなく「使い続けられる」アプリへと成長します。
UX/UIを軽視せず、開発初期から一貫して考慮すること。
それが、ビジネスを支えるWebアプリ開発の成功法則です。
UX/UIを重視したアプリ開発をご検討の方は、大阪のWEBシステム会社「マイスター・ギルド」にご連絡ください。

