Blog

2024.11.8

受託開発の流れと注意点を解説

受託開発の一般的な流れとポイントを簡単にまとめました。
受託開発の流れをイメージしたい方や、進めるうえでの注意点をあらかじめ知っておきたい方のご参考になれば幸いです。

受託開発とは

受託開発とは、企業や団体（クライアント）が特定のシステムやアプリケーションの開発を外部の開発会社に依頼する形態のことです。依頼元（クライアント）が要求する仕様に基づいて、受託開発を行う企業（開発会社）がシステムを設計、開発、テスト、納品、運用支援を行います。受託開発では、クライアントの要件に特化したカスタマイズされたソリューションが提供されます。

受託開発の流れ

受託開発の流れは、クライアントからの要件を基に、システムやアプリケーションの開発を進める一連のプロセスです。一般的には以下のようなステップで進行します。

1. ヒアリング・要件定義

目的: クライアントのニーズを正確に把握するための初期段階です。
内容: クライアントとのミーティングを通じて、システムの目的や機能、予算、スケジュールなどを詳細に聞き取ります。これに基づき、プロジェクトの要件を明確に定義します。

2. 提案書・見積もり作成

目的: クライアントに対して、開発の方針やコストを提示するための文書を作成します。
内容: 要件定義に基づき、システムの設計や開発スケジュールを提案します。また、開発費用や納期を見積もり、クライアントに提案書を提出します。クライアントからの承認を得ることが必要です。

3. 設計

目的: 実際のシステム開発に向けて、技術的な設計を行います。
内容:
基本設計（概要設計）: システム全体の構成や機能を定義し、アーキテクチャを決定します。
詳細設計: 基本設計を元に、具体的なデータベース設計やUI/UX設計、API仕様書などを作成します。

4. 開発

目的: 実際にシステムやアプリケーションをプログラムとして構築します。
内容: 開発者が設計書に基づいてコーディングを行います。システムの機能やユーザーインターフェース、データベースの作成など、全ての要素を実装します。開発中には、クライアントからのフィードバックを受けて調整を行うことがあります。

5. テスト

目的: 開発したシステムが仕様通りに動作するか、バグや問題がないかを確認するための段階です。
内容: テストには以下のような種類があります。
単体テスト: 各機能やモジュールが個別に動作するかを確認。
結合テスト: 異なるモジュール間での連携が正しく動作するかをテスト。
総合テスト: システム全体が仕様通りに動作するかを確認。
ユーザーテスト: クライアントやエンドユーザーが実際に使用してテストします。

6. 納品・納品後サポート

目的: 完成したシステムをクライアントに提供し、運用をサポートします。
内容: テストをクリアしたシステムをクライアントに納品し、必要に応じてマニュアルや運用方法を提供します。納品後には、クライアントがシステムを運用するためのサポートや、バグ修正、保守が行われる場合があります。

7. 運用・保守

目的: システムが運用される中で発生する問題や改善点に対応します。
内容: システムの運用を監視し、バグ修正や機能追加、パフォーマンス改善を行います。また、定期的なアップデートやセキュリティ対策を行うことも重要です。

この流れはあくまで一般的なものであり、プロジェクトの規模や特性、クライアントの要求によって柔軟に調整されます。また、アジャイル開発のような反復的な開発手法を採用する場合もあります。

受託開発を進めるうえでの注意点

受託開発を進める上での注意点は、プロジェクトの成功に大きく影響を与えます。以下は、受託開発をスムーズな流れで進めるために重要な注意点です。

1. クライアントとの明確なコミュニケーション

プロジェクトの目的、要件、期待される成果を明確に理解し、共有することが重要です。要件が不明確なまま開発を進めると、後々の仕様変更や不満が生じる可能性があります。

対策: 定期的な打ち合わせを行い、進捗確認やフィードバックを受けるようにしましょう。また、契約前に十分なヒアリングを行い、要件定義を詳細に文書化することが大切です。

2. 要件の変更に柔軟に対応する

開発が進行する中で、クライアントから要件変更や追加要求がある場合があります。これに適切に対応するためには、予め変更管理のプロセスを決めておくことが重要です。

対策: 要件変更や追加要望については、スコープ変更として正式に合意し、その結果として予算や納期に与える影響を明確にすることが求められます。

3. スケジュールの管理と見積もりの正確さ

開発のスケジュールや納期が適切に管理されていないと、納期遅延や品質の低下を招く可能性があります。また、過度な楽観的な見積もりが後々の負担となることがあります。

対策: 実現可能なスケジュールを設定し、進捗を定期的にレビューすることが重要です。アジャイル開発などを採用する場合も、スプリントごとに進捗と問題点を振り返り、適切な調整を行います。

4. 契約書の明確化

契約内容が曖昧だと、後々トラブルの原因になります。納品物、納期、費用、責任範囲などを事前に明確に取り決めておくことが大切です。

対策: 契約書にはプロジェクトの範囲や納品物、支払い条件、スケジュール、リスク管理の方法、納期遅延や品質問題への対応策を詳細に記載し、双方が合意した内容をしっかりと記録しておくことが重要です。

5. リスク管理

開発過程で発生する可能性のあるリスク（技術的な課題、リソースの不足、予算オーバーなど）を事前に認識し、対策を講じることが重要です。

対策: リスク管理計画を策定し、定期的にリスクを評価・監視することが大切です。また、リスクが発生した場合の対応方法や回避策もあらかじめ準備しておきます。

6. 品質保証（QA）の重要性

開発したシステムの品質を保証することは、クライアントの満足度を高めるために欠かせません。バグや不具合が多いと信頼を失う原因になります。

対策: 品質保証は単なる最終段階でのチェックではなく、プロジェクトの最初から最後まで関わる重要な活動です。単体テスト、結合テスト、総合テストをしっかり行い、バグの早期発見を心掛けます。

7. 進捗管理と報告

プロジェクトが計画通りに進んでいるかを把握し、クライアントへの報告を行うことが重要です。進捗が遅れたり問題が発生した場合、早期に報告し、対応策を協議することが大切です。

対策: 進捗報告を定期的に行い、遅延や問題点があれば迅速に共有して改善策を提案します。透明なコミュニケーションを保つことで、クライアントとの信頼関係を維持できます。

8. ドキュメント管理

システムの設計書やソースコード、テスト結果などのドキュメントを適切に管理し、開発中や納品後に必要な情報を迅速に取り出せるようにしておくことが重要です。

対策: すべてのドキュメントを整理し、共有するための仕組みを整備します。開発の進行に伴ってドキュメントを常に最新の状態に保つことが求められます。

9. クライアントの期待値管理

クライアントが持つ期待と実際の成果物にギャップが生じると、トラブルに繋がることがあります。クライアントとの間で期待値をしっかり管理し、現実的な範囲で調整することが必要です。

対策: 進捗の段階で、クライアントが期待する成果物や機能が正しく理解されているかを確認します。また、もし期待が過剰であれば、適切に説明して調整します。

10. アフターサポートと保守

システム納品後、必要に応じてアフターサポートや保守を行うことが、長期的な関係を築くために重要です。

対策: 保守契約やサポート体制を事前に整え、納品後のサポートやバグ修正、追加機能の開発に関しても明確にしておくことが求められます。

Webシステムの受託開発ならマイスター・ギルド

マイスター・ギルドはWebシステムの受託開発を得意とし、実績も多い会社です。
ご検討の方は、お気軽にマイスター・ギルドまでお問い合わせください。