2025.5.7
最近、「ノーコード」や「ローコード」という言葉を耳にする機会が増えてきました。特に中小企業では、DX推進や業務効率化の流れの中で、「プログラミング不要でアプリやシステムが作れる」という点が大きな魅力となっています。
しかし、便利そうに見えるノーコード・ローコード開発にも向き不向きがあり、安易に導入すると逆に業務の混乱を招くことも。
この記事では、ノーコード・ローコード開発が企業に向いているのかどうかを、メリットと注意点の両面から解説します。自社の業務改善やWEBシステム導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
まずは、それぞれの定義と違いを明確にしておきましょう。
ノーコード(No-code)とは、プログラミングの知識がなくても、GUI(画面上の操作)でアプリやシステムを作成できる開発手法です。代表的なツールには以下のようなものがあります。
基本的には「ドラッグ&ドロップ」「設定選択」など、直感的な操作で開発が可能です。
ローコード(Low-code)は、ある程度のコーディングが必要になるものの、通常の開発よりは圧倒的にコード量が少なく済む開発手法です。
ローコードでは、複雑な業務ロジックにもある程度対応できるため、ノーコードでは難しい開発にも対応可能です。
ノーコード | ローコード | |
---|---|---|
対象者 | 非エンジニア | 初級~中級エンジニア |
柔軟性 | 低い(制限あり) | 高い(カスタマイズ可能) |
開発スピード | 非常に早い | 比較的早い |
学習コスト | ほぼ不要 | ある程度必要 |
通常のWEBシステム開発では、要件定義から設計・実装・テストまで数ヶ月単位の期間が必要になります。しかし、ノーコード・ローコードを活用すれば、最短で「その日のうちに試作」も可能です。
例えば、営業部門が独自に簡易な顧客管理アプリを作成し、翌日から運用開始することも現実的です。スモールスタートに最適な手法と言えます。
システム開発会社に依頼すると、最低でも数十万円〜のコストが発生します。ノーコードツールは無料プランや月額数千円のものが多く、初期投資を抑えながらも実用的なアプリを導入できます。
また、内製化が可能になるため、将来的な運用コストも削減できます。
現場社員がノーコードでツールを作ることで、「業務改善にITを使う」意識が高まり、自発的なDXマインドが育ちやすくなります。
これにより、トップダウンではなく、ボトムアップ型の業務改善が活発になる企業も増えています。
便利そうなノーコード・ローコードですが、導入にあたっては以下の点に注意が必要です。
ノーコードツールは、テンプレートや基本機能が中心なので、業務が複雑だったり、既存の業務フローが特殊な場合は機能が不足する可能性があります。
「現場に合わせる」のではなく「ツールに業務を合わせる」必要が出てきてしまい、現場から不満が出ることも。
他のシステムとのAPI連携、基幹システムとの接続などは、ローコードやフルスクラッチ開発の領域になることが多いです。
データの移行や保管ルールにも制約があるため、最初に「将来の拡張性」も視野に入れておくべきです。
クラウド型ノーコードツールの多くは海外製で、セキュリティポリシーが企業の基準と合わないこともあります。
また、アップデートや仕様変更が自社でコントロールできないため、運用面で不安が残る場合も。
企業として扱うデータの重要度や業務の影響範囲に応じて、慎重に選定する必要があります。
ノーコード・ローコード開発は、
✅ スピード重視で開発したい
✅ 開発予算が限られている
✅ シンプルな業務を効率化したい
といった 中小企業の課題に非常にマッチした選択肢です。
一方で、業務の複雑さやセキュリティ、将来的な拡張性などを考えると、「万能ではない」ことを理解した上で導入することが大切です。
まずは試験的に小さな業務から導入し、効果を測定しながら段階的に活用範囲を広げていくのが理想的です。
「自社にノーコード導入は合っているのか?」と悩まれた際は、大阪のWEBシステム会社「マイスター・ギルド」に相談してみるのもおすすめです。プロの視点で業務を分析し、最適なツール選定と導入支援を受けることで、より確実にDXを進めることができます。