2018.11.26
プロダクト
過去に何度かイベントを主催したことがあるのですが、来場者数という数字は結構重要だったりします。
予約制や有料イベントであれば大体の人数が把握できるのですが、入場無料・入退場自由のイベントの場合はこの来場者数を算出するのは結構大変で、パンフレットを配った数などで大体の人数を推測したりします。
道路の交通量調査の担当者さんみたいに、カウンター持ってカチカチとひたすら数えるという手も無くはないですが、とても大変です。
目次
そこで、Googleの機械学習オープンソースソフトウェアライブラリである「TensorFlow」を使って、人数カウントシステムを作ってみました。
画面上の線の位置を横切った人数を数えます。
現時点ではまだまだ試作段階ですが、ゆくゆくはイベント会場での来場者数カウントなどに利用できる見込みです。
TensorFlow(テンソルフロー)は、オープンソースの機械学習およびディープラーニングライブラリであり、Googleによって2015年に初めて公開されました。
TensorFlowは、数値演算を効率的に行うための柔軟で高性能な数学演算ライブラリを提供し、特にニューラルネットワークの構築とトレーニングに焦点を当てています。以下に、TensorFlowの主な特徴と問題点を解説します。
TensorFlowは、異なるプラットフォームやデバイス上での実行を可能にする柔軟性があります。また、CPUやGPU、TPU(Tensor Processing Unit)など、さまざまなハードウェアで高性能な数値演算をサポートしています。
TensorFlowは計算をグラフ形式で表現し、これにより複雑な演算やモデルの最適化が可能です。計算グラフは先に定義され、その後にデータが供給されることで、効率的な並列処理が実現されます。
TensorFlow 2.xでは、Eager Executionと呼ばれるモードが導入され、動的な計算が容易になりました。また、AutoGraph機能が組み込まれ、Pythonのコードを自動的に計算グラフに変換することができます。
TensorFlowは広範なコミュニティと豊富なドキュメンテーションを有しており、ユーザーが問題を解決しやすくなっています。さまざまなドメインやアプリケーションでの使用事例が共有されています。
TensorFlowには、モデルのトレーニングプロセスを視覚化するためのツールであるTensorBoardが含まれています。これにより、モデルの訓練と評価の進捗をモニタリングしやすくなります。
TensorFlowは非常に強力であり、多くの機能やオプションがありますが、初学者には学習曲線が急峻かもしれません。初めてのユーザーにとっては、他のシンプルなライブラリよりも複雑に感じられるかもしれません。
大規模なモデルやデータセットのトレーニングには、多くのリソース(メモリや計算能力)が必要です。これは、小規模なプロジェクトやリソース制約のある環境では問題になる可能性があります。
TensorFlowは独自のAPIを使用しており、他の機械学習ライブラリとの互換性が低い場合があります。これは、既存のコードやモデルをTensorFlowに移植する場合に問題になる可能性があります。
TensorFlowは非常に多くの機能を提供していますが、プロジェクトによってはこれらの機能が必要ない場合もあります。そのため、シンプルなタスクに対しては過剰な機能性を持つことが批判されることもあります。
TensorFlowは強力で柔軟な機械学習ライブラリであり、計算グラフを通じて高度な数学的演算を効率的に実行します。
その柔軟性と拡張性により、様々なプラットフォームやデバイス上で機械学習モデルを構築できます。一方で、初学者には学習コストが高いと感じられることがあり、複雑さや冗長性も指摘されています。
しかし、適切に活用することで、豊富な機能を用いて高度な機械学習プロジェクトを実現することができます。 TensorFlowは機械学習コミュニティにおいて広く利用され、継続的に進化しています。